老人ホームの入居条件5つ|介護認定なしの元気な高齢者が入れる介護施設や入るにはいくら必要かを解説

家族の介護に困難を感じ、高齢者施設への入所を検討している方もいるでしょう。しかし、老人ホームは申し込み後に100%の人が入れるわけではありません。

この記事では、老人ホームに入る条件やいくら必要か、適切なタイミングなどを詳しく解説します。介護認定なし、あるいは医療的ケアが必要な方が利用しやすい施設も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

老人ホーム5つの入居条件

老人ホーム5つの入居条件

老人ホームに入ることは「入所・入居」と呼ばれます。意味の違いは、入所が施設に入り生活すること、入居がそこに住むことです。入居後の生活が入居前と同様になるよう暮らしを整える意味で「入居」がよく使われます。

まずは、老人ホームに入るために必要な5つの入居条件を解説します。

年齢は範囲内か

老人ホームに入るには介護保険法の対象である65歳以上が基準となります。しかし、介護サービスを利用しない方も対象の住宅型有料老人ホームなどは、65歳に満たなくても入居が可能です。

また、がんや関節リウマチ・骨折をともなう骨粗しょう症など、法令で定められた特定疾病を患った場合は、40歳から老人ホームに入居できます。

要介護度は該当しているか

老人ホームごとに利用できる介護度は定められており、基本的には以下3つのパターンで分かれています。

介護付き老人ホーム 要介護度
自立型 自立、要支援
介護専用型 要介護1~5
混合型 自立~要介護5まで

比較的費用を抑えられるとされる特別養護老人ホームは介護専用型に属しており、介護度3以上が利用できます。一方、有料老人ホームは介護付き・住宅型・健康型の3種類があり施設により異なるものの、自立から要介護5までが対象です。

要介護度を決める認定調査については、以下の記事で解説しています。
〈関連記事〉介護保険の認定調査とは?正しい判定には事前準備が大切

医療的ケアは必要か、対応できる内容か

老人ホームは必ずしも看護師が常にいるわけではなく、施設ごとに可能な医療的ケアが異なります。

老人ホームは「自宅」であるため、看護師のいる施設で可能な医療的ケアは生活上で必要な以下の内容です。

  • 在宅酸素療法
  • 吸引
  • インスリン注射
  • 中心静脈栄養
  • 導尿やバルーン管理
  • 人工肛門(ストーマ)の貼り替え
  • 褥瘡(床ずれ)の処置 など

看護師の人員配置でも医療的ケアは限られるため、必要な処置を受けられるのか確認が必要です。

保証人や身元引受人はいるか

老人ホームに入るには、契約時に以下を引き受けられる保証人や身元引受人が必要です。

  • 月々の支払い
  • ケアプランや治療方針の承諾
  • 緊急時の付き添いや入院手続き
  • お看取りの際の対応 など

一般的には家族が保証人や身元引受人になりますが、成年後見制度や身元保証会社を利用する方法もあります。

資産や収入は十分か

老人ホームは最期の生活の場所と考える方も多く、料金の支払い能力も入居条件のひとつです。基本料金のほか、レクリエーションや水道光熱費などがかかるケースもあるため、資産に見合った老人ホームを選びましょう。

老人ホームの費用は、施設ごとに月々約6万~35万円と差があります。老人ホームに入るためにいくら必要かについては、以下の記事で詳しく解説しています。
〈関連記事〉在宅と施設の費用を知りたい!結局どっちがいいの?

メドアグリケアはクリニックを併設し、訪問診療・看護のサポートを受けられる有料老人ホームを展開しています。茨城県で医療に強い住宅型有料老人ホームをお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【状況別】入所できる可能性のある老人ホーム

【状況別】入所できる可能性のある老人ホーム

老人ホームに入るには、まず現状に合わせて施設を検討する必要があります。ここでは、介護認定なしの方、医療的ケアが必要な方が入所しやすい老人ホームを紹介します。

介護認定なしでも入れる施設

元気であり介護認定を受けていない方が入れる高齢者施設は以下のとおりです。

介護認定なしでも入れる施設 特徴
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 60歳以上または要介護・要支援の方が安心して暮らすことを目的とした賃貸住宅
健康型有料老人ホーム 自立の方を対象とした食事サービスなどが付いた高齢者向けの居住施設で、介護必要時には退去
住宅型有料老人ホーム 自立~要介護の方を対象とした生活支援サービスなどが付いた高齢者向けの居住施設
軽費老人ホーム 原則60歳以上
・A型:独立生活が不安、家族の援助を受けられない
・B型:さらに自炊が可能
・ケアハウス:身体機能の低下で生活に不安、家族の援助を受けられない

長く入居したい場合は身体機能が衰えることを考え、要介護になっても継続可能な施設を選びましょう。

医療的ケアが受けられる施設

日常的に医療的ケアが必要な方の老人ホームを探す際には、看護師が配置されているかを確認しましょう。看護師が日中のみいるのか、24時間いるのかもチェックポイントのひとつです。

医療的ケアを受けられる施設は以下のとおりです。

医療的ケアを受けられる施設 特徴
特別養護老人ホーム 要介護3以上が入居でき、入居待ちが多い
有料老人ホーム 看護師が夜間にもいたり、医療機関と提携していたりする施設もある
介護医療院 要介護者の長期療養・生活のための施設

看護師が常にいる老人ホームは急変時にも早期に対応できるため、安心して過ごせるでしょう。

老人ホームに入れない理由

老人ホームに入れない理由

老人ホームへの入居を希望しても、以下の理由により入れないケースもあります。

  • 入居条件に該当しない
  • 費用を払えないと判断された
  • 医療依存度が高く施設で対応できない
  • 暴言・暴力が頻回
  • 空きがない

待機待ちが多い施設では、入るタイミングも考慮しなければなりません。以下の記事も参考にしてください。

〈関連記事〉ベストな施設入所のタイミングとは?認知症でも入所できる?

老人ホームに入る一般的な流れ

老人ホームに入る一般的な流れ

老人ホームは入居希望者の条件から、適切な施設を選ぶ必要があります。老人ホームに入る一般的な流れを紹介します。

1.現状の優先度に合わせた希望条件を把握する

まずは以下の現状を把握し、優先度に合わせて老人ホームに希望する条件を確認します。

  • 持病
  • 通院の有無、頻度
  • 認知症の有無、程度
  • 要介護度
  • 予算
  • 希望するサービス内容

なかには、入居後に連携協力先の往診が利用できる老人ホームもあります。通院先がある場合は併用できるかの確認が必要です。

2.情報を収集する

次に、希望条件に合う老人ホームの情報を収集します。担当ケアマネージャーがいない場合は、厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも施設ごとに費用やサービス内容などを調べることが可能です。

気になる老人ホームは資料請求しておきましょう。

3.見学する

老人ホームの概要を確認したあとは、実際に見学しましょう。

申し込み時にはレクリエーションの様子が見られるか、食事の試食ができるかなども併せて確認しておくのがおすすめです。

4.体験入居をしてみる

料金の有無や期間は施設ごとに異なりますが、多くの老人ホームでは体験入居が可能です。体験により施設の設備やスタッフの関わり方、雰囲気やほかの入居者の方の印象がわかります。

5.仮申し込みをする

入居を決めたら仮申し込みで居室を押さえて準備を進めます。

必要書類には診療情報提供書や健康診断書などがあり、取得までに1週間以上かかるケースもあります

また、入居予定者と施設側との事前面談も必要です。入居予定者が入院中の場合は、病院へ赴くこともあります。

この面談で施設側は介護度や健康状態・医療依存度・経済状況や保証人などを確認し、最終的に入居審査を行ないます。

6.契約して入居

入居審査に通ったら本契約を結び、入居日を決めます。家具などは施設によって持ち込めるものが異なるため、あらかじめ確認が必要です。

まとめ

老人ホームに入るには、まず5つの入居条件をクリアする必要があります。入居希望者の現状を再確認し、優先度の高い内容を希望条件として施設を検討しましょう。

老人ホームには介護認定なしでも入れる施設や、一方で医療的ケアが手厚い施設もあります。将来、看取りの場所としても活用したいかも踏まえ、検討してみてください。

メドアグリケアは茨城県でデザイナーズ有料老人ホームを展開しています。医師・看護師は24時間対応できるため、高度な医療的ケアも実施できます。

木の香りに包まれた快適空間で食へもこだわっているため、ぜひ一度見学にお越しください。