孤独死はなぜ問題なの?予防するための取り組みを解説

周りに一人暮らしをしている高齢者はいませんか?日本では高齢者が増えたことで、孤独死が増加し大きな問題になっています。亡くなったことに気づかれず、残された家族が対応に困るというケースも多く発生しています。

ではなぜ孤独死が増えているのでしょうか。今回は孤独死の原因や対策について解説します。本人だけでなく、家族も悔いが残らないよう、今からできる対策を考えましょう。

孤独死が社会問題になっている

孤独死とは、一人暮らしの高齢者が自宅で誰にも気づかれずに亡くなることです。そして場合によっては、亡くなったことに長期間気づかれない場合があります。

出典:国土交通省「死因別統計データ」

国土交通省の「死因別統計データ」によると、65歳以上の孤独死の人数が2003年では1441人だったのに対し、2018年には3867人まで増加していたことを発表しました。

このように、孤独死が年々増えていることが社会問題となっています。

孤独死に繋がる原因とは?

孤独死に繋がる原因は5つ挙げられます。

  1. 高齢者の一人暮らし
  2. 経済的に困窮している
  3. 持病がある
  4. 内向的
  5. 頼れる人が近くにいない

以下で1つずつ解説していきます。

①高齢者の一人暮らし

一人暮らしだと、体調の変化に気付ける人がいなかったり、緊急時に対応できる人がいません。助けを呼ぶことができず、数日間自宅で寝たきりになっていたり、最悪の場合そのまま自宅で亡くなってしまうことがあります。また女性より男性の方が孤立しやすいと言えます。                 

・男性は家事などが苦手な方が多く、食生活が悪化する可能性がある

・女性に比べて男性は会話や人付き合いが苦手な人が多い

普段から料理をしたり、周りの人との交流ができた方が安心と言えます。

②経済的に困窮している

経済的に余裕がないと孤独死のリスクが高まる可能性があります。例えば「体調が悪くても受診できない」「食生活が偏り、栄養不足になりやすい」など、健康に影響を及ぼす問題が多いです。             

最近は結婚せずそのまま実家で両親と生活される方も多いですが、両親が亡くなった後に経済的に困ってしまうケースも増えています。

経済的な余裕があることで、病気の予防・改善に繋がります。

③持病がある

持病がある方は健康状態が悪く、他の病気にかかりやすいことがあります。病状によっては急に体調不良になり、孤独死につながる可能性があります。

普段からアルコールを大量に摂取したり、体力が落ちている方は病気に繋がりやすいため注意が必要です。                                     

④内向的

ほとんど自宅で過ごされている方や、他人とあまり関わりがない方はひきこもりがちになることがあります。コミュニケーションが苦手な方や人と関わるのが苦手な方は、何かあっても周りに助けを求められない可能性があります。

⑤頼れる人が近くにいない

あまり人との関わりがなかったり、頼れる人はいるが遠くに住んでいる場合などに孤独死の原因となってしまいます。近所の方や親戚などに頼れる人を作っておくことで、万が一の時にも早急に対応してもらえる可能性はあるでしょう。

孤独死で起こる問題

もし孤独死が起きてしまうと、どのような問題が起きるのでしょうか。

考えられる問題は2つ。

  1. 精神的な問題
  2. 経済的な問題

以下で1つずつ解説していきます。

①精神的な問題

本人だけでなく、家族も無念にかられる思いになるでしょう。家族が看取れなかったことや、本人に何かしてあげられたのではないかという気持ちになることでしょう。

また家族が第一発見者だった場合、変わり果てた本人の姿を見ることになるかもしれません。長時間放置されていた遺体の場合、腐敗が進み、精神的ショックを受けてしまう可能性があります。

②経済的な問題

賃貸に住んでいた場合、管理会社が家族に対して「補償金」として高額な請求をしてくる可能性があります。

孤独死した状況によっては、自宅内もかなり荒れている場合があります。家族での清掃が難しい時は、清掃業者へ依頼する必要があります。家の広さや状態によって費用は変わりますが、数万円から数十万円の費用がかかってくることがあり、家族が負担しなければならない可能性があります。

孤独死を防止するためには?

孤独死を防ぐためには、どのようなことができるのでしょうか。

①自治体による取り組み

お住まいの市町村ごとに、孤独死対策の取り組みがされています。例えば民生委員が高齢者の自宅へ訪問し、体調に変わりはないか、何か困ったことはないかなど確認をしています。

また近所の人たちとの関わりも重要です。「玄関に新聞が溜まっている」「洗濯物が干しっぱなしになっている」など、異変を感じた場合に警察や自治体へ連絡することで、早期発見に繋げることができます。

②民間のサービスを利用する

民間企業でもさまざまなサービスがあるため、上手に活用するといいでしょう。

・配食サービスを利用し、訪問時に安否確認をしてくれる

・電気・水道・ガスのメーター使用量で生活変化を確認

・配置薬販売者が訪問時に安否確認をしてくれる

・センサーを設置し、本人の行動に異変があれば通知してくれる

上記は顧客に対してのサービスになりますが、孤独死を防ぐためにはこのようなサービスも活用しながら生活しましょう。

③介護保険を利用する

体力が落ちていたり、生活に不安がある方は、介護保険の申請を検討するのも一つです。介護認定が下りると、訪問サービスや通所サービスを利用でき、第三者に介入してもらうことができます。

またケアマネジャーがつくことで、生活の中で何か心配なことがあれば、相談することもできます。

④「見守りができる」家電製品を使う

家電業界でも「一人暮らしの高齢者が増えている」ことに注目し、新しい家電が誕生しています。

例えば、テレビや電気のON・OFF、冷蔵庫の開閉などで安否を確認できる家電があります。

また、熱中症対策ができるように部屋の温度・湿度管理ができるセンサーがついているものもあります。

家電であれば、常に見守られているストレスもなく、お互い安心して過ごすことができます。

まとめ|サービスを使って孤独死を防止しよう!

孤独死は本人・家族にとっても辛い結果になってしまうでしょう。

日頃から健康管理や周りの人との交流をはかり、孤立化しないことが大切です。またさまざまな見守りサービスがあるため、上手く活用していくことをおすすめします。

また、お互い安心して生活できるように、どのようなサービスや機器を使うか話し合って決めることをおすすめします。