生活習慣病の種類と特徴!患者数が世界規模の糖尿病の怖さも紹介します

日本人の5大死因をご存知ですか?令和2年度人口動態統計月報年計をみると死因の第1位は悪性新生物(がん)、第2位は心疾患、第3位は老衰、第4位は脳血管疾患、第5位は肺炎となっています。死因の大多数はこれらで占めており、その多くは「生活習慣病」と呼ばれているのです。今回は生活習慣病について解説していこうと思います。

  • 生活習慣病とは?

生活習慣病とは、生活習慣が原因で起こる疾患の総称です。主に食事や運動習慣・喫煙・飲酒・ストレスが関係して発症する疾患です。従来は成人病という言葉で表現されていましたが、生活習慣次第では未成年でも発症するため「生活習慣病」と総称されるようになりました。生活習慣病が原因となり、脳血管疾患や心疾患・がんの発症が起きるとされています。この3つの疾患は日本人の5大死因に入っています。つまり、生活習慣病の悪化は死因にも関係するといえるのです。

▲生活習慣病の歴史

生活習慣病は昔からあったとされています。藤原道長は糖尿病だったと源氏物語に明記されていました。源氏物語の中ではふくよかな体型で、富の象徴としてそのような体型・イメージをつけていたのだといわれています。他にも上杉謙信は、脳卒中で亡くなりました。上杉謙信は生前、お酒好きとして知られており現代では当たり前である、アルコールと病気の関係は昔からあったことがわかります。

しかし、これらはあくまで予想であり予測にしか過ぎません。歴史を振り返ると、感染症との戦いが主でした。コレラや水痘・天然痘など感染症との戦いを繰り返していた人間ですが、20世紀以降は生活習慣病との戦いとなっています。

2000年には生活習慣病を重視して、厚生労働省が「健康日本21」を策定します。健康日本21は「健康を実現することが元来、個人の健康観に基づき、一人一人が主体的に取り組む課題であるが、個人による健康の実現には、こうした個人の力と併せて、社会全体としても、個人の主体的な健康づくりを支援していくことが不可欠である」として策定された者です。健康寿命の延伸を目的としており、健康に関連する全ての関係機関や団体と始めました。具体的には、食生活・栄養、身体活動・運動、休養・心の健康づくり、喫煙、飲酒、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんの9分野について数値目標を定め、国民の健康づくり運動が推進されるようになりました。

2008年には内臓脂肪蓄積量を基準として、メタボリックシンドロームおよびその予備軍を2015年までに25%減少する目標が追加されました。生活習慣病対策として特定検診・特定保健指導が実施されるようになったのもこの時期です。

▲生活習慣病の恐怖

生活習慣病は日常生活が原因で起きるため、自覚症状が乏しいです。そのため気づいたときには進行していたということも珍しくないのです。また、死因の多くが生活習慣病によって起こされます。生活習慣病とは症状なく進み、気づいたときは手遅れということも少なくないのです。まさに、生活習慣病は恐怖の病気といえるでしょう。

  • 生活習慣病の種類

生活習慣病は多くの種類があります。ここでは生活習慣病にどのようなものがあるのか、どのような予防をすれば良いか解説していきます。

▲糖尿病

糖尿病とは、血液中のブドウ糖の数値が高くなっている病気です。初期であれば無症状ですぎることが多く、気づかない人もいます。健康診断などで血液検査を実施した結果、病気が見つかったというケースも多いです。糖尿病になると、血管への負担がかかるため脳血管疾患や心疾患の発症リスクが高くなります。また、糖尿病により失明や腎臓への負担増による、腎不全なども引き起こされます。糖尿病は万病の元という言葉があるように、多くの病気を招く恐れがあるのです。原因としては食べ過ぎ、飲み過ぎがあります。必要以上のカロリーを摂取すると、体内で分解できるブドウ糖量を超えてしまい、血液中のブドウ糖数値が高くなるのです。

▲高血圧

高血圧とは、血管の収縮したときの収縮期血圧が高い状態のことです。血圧とは、ホースから水が出るときの勢いと比例するとイメージしてください。ホースの口を閉めると、水流は強くなり、ホースの口を広げると水流は弱くなります。いわゆる上の血圧が140を超えると高血圧と呼ばれます。血圧が高い状態が続くと、血管へのダメージも大きくなり脳出血やくも膜下出血の発症リスクが高くなります。

▲脂質異常症

脂質異常症とは、LDLコレステロールやHDLコレステロール、中性脂肪の値が高い状態をいいます。脂質異常症が続いてしまうと動脈硬化を招き、血管疾患を招く恐れがあるのです。

▲心疾患

心疾患の中には狭心症や心筋梗塞があります。高血圧や糖尿病・脂質異常症などが原因となり、血管を弱くさせた結果、心疾患が発症するといわれているのです。

▲脳血管疾患

脳血管疾患には脳梗塞や脳出血があります。高血圧や糖尿病・脂質異常症などが原因となり、血管を弱くさせた結果、脳血管疾患が発症するといわれているのです。中でも脂質異常症を放置すると動脈硬化ができ、脳血管疾患の発症リスクが高くなるといわれています。他にも喫煙もリスクを上げることで有名です。

▲高尿酸血症

食生活の乱れが原因となり発症するのが高尿酸血症です。高尿酸血症は自覚症状がほとんどありません。まれに関節が痛くなる「痛風発作」がありますが、それ以外は無症状です。健康診断で数値の異常を指摘されない以外、発見できません。高尿酸血症を放置してしまうと腎臓へ負担がかかり腎不全を招く恐れがあります。

  • 生活習慣病の患者数(世界編)

2016年に世界保健機構(WHO)は成人の糖尿病患者数が4億44200万人となったと発表しました。1980年と比較すると約4倍まで増えた計算になります。このように世界レベルでみると糖尿病患者数は増加の一途を辿っているのです。つまり、生活習慣病患者数も増えているといって良いでしょう。2016年の段階でWHOは、2025年までに糖尿病人口は7億人を突破すると指摘しています。

生活習慣病が問題視される理由は、病気の発症が一番ですが、それ以外にも理由があります。その理由が医療費です。世界の糖尿病の医療費は約90兆円といわれています。内訳をみると中国が18.5兆円、米国が11.4兆円、インドが8兆円、日本が8兆円です。経済発展をしている国が上位に入っています。やはり「糖尿病=肥満症=富」というイメージは拭い切れないのではないでしょうか。ちなみに日本の年間医療費は約42兆円です。8兆円が糖尿病で消化されている点をみると、いかに国内の糖尿病患者数が多いかわかるのではないでしょうか。

▲世界の死因

WHOが2000年〜2019年までの20年間で起きた「世界の死因TOP10」をまとめた資料があります。それをみると、1位は心疾患・2位は脳卒中・3位は慢性閉塞性肺疾患(COPD)・4位は下気道感染症・5位は新生児疾患・6位は肺がん・7位は認知症・8位は下痢症・9位は糖尿病・10位は腎臓病となりました。このうち6つが生活習慣病です。

中でも糖尿病・がん・循環器疾患・呼吸器疾患など非感染性疾病(NCD)と呼ばれる疾患は世界的に問題視されています。世界の全死因の70%がNCDというデータもあるのです。特に中年で問題となっており、30歳〜69歳でNCDにより死亡する人は1500万人以上といわれています。

NCDの発症リスクとして有名なものは喫煙・運動不足・アルコール・不健康な食事・大気汚染があります。このうち4つは個人の意識を変えることで排除できるのです。2020年には生活習慣病予防として「5つの食事のヒント」というものをWHOは公表しています。運動不足に関しては国際的なキャンペーンを実施しており、2030年までに運動不足を15%削減すると目標を立てています。

  • 生活習慣を改めるだけで健康になる

みなさんが健康を意識しているのならば、変えるのはたった一つです。それも難しいことではありません。生活習慣を改善するだけです。これだけで日本で罹患している多くの疾患を予防できるのです。

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