個人事業主が使える新型コロナウイルス感染症の給金を紹介

新型コロナウイルス感染症の影響がまだまだ続いています。特に飲食店に関しては、緊急事態宣言が発出されると同時に自担営業を余儀なくされています。万が一、協力金を拒否して通常営業をすれば「措置命令で罰則を受けさせるべき」という民意が襲ってくるため、総合的に判断して自担営業を続けているお店も少なくありません。実際、自担営業を辞めた店には口コミサイトへ「感染対策をしていない」「感染源」などと書き込まれる事案も発生しているのです。今回はそんな商売をしている個人事業主がコロナで苦しい中、使うことができる制度について紹介していこうと思います。

  • 飲食店は個人事業主が多い

飲食店は個人事業主が多いといわれています。平成28年に厚生労働省が発表した「飲食店営業(一般食堂)の実態と経営改善の方策」をみると飲食店営業の実態が明らかになります。今回はこの資料を参照しながら話を進めていこうと思います。

2014年の外食産業データ集をみると飲食店の事業所数は610782店。その事業所で働く従業員数は4201947人となっています。2000年代には約79万カ所あった事業所数が約61万人まで減少しましたが、従業員数は2000年代からあまり変化がありません。また、総務省・螢山産業省の「経済センサス−活動調査産業横断的集計結果の概要」から「宿泊業・飲食サービス業」をみると飲食店の個人事業主の多さに気づくことができます。飲食店ではおよそ32%が個人経営となっています。一方、情報通信業となるとどうでしょう。携帯電話ショップや代理店業務などが情報通信業と呼ばれています。この業界では法人が94%、個人事業主が6%という結果となりました。業種によってここまで差が出てくるのには驚きますね。さて、飲食店に話を戻します。飲食店は1日あたりの平均客数が183人となっています。そして1人あたりの平均料金が2134円。もちろんラーメン屋・寿司屋・ミシュラン獲得店・焼肉屋・大衆食堂など客単価の高低を関係なく計算しているためこの平均客単価となるのです。

この客数と客単価で計算すると1日あたりおよそ39万円が売り上げとして店に入ります。そこから人件費や食材費、家賃や光熱費などを差し引いた額が利益として残るのです。1日39万円と聞くとなかなか稼いでいると思いがちですが、利益はそこまで多くないことが多いです。そこで問題となるのが廃業率です。飲食店は新規開業してから1年以内に25%が廃業するといわれています。ただでさえ新規開業してから1/4が1年以内に廃業する業界を直撃したのが新型コロナウイルス感染症です。

▲客足が落ち込む原因

新型コロナウイルス感染症を予防するために総理大臣官邸・厚生労働省が推奨し、小池都知事の発信で一気に認知された言葉が「3密の回避」です。3密とは「密接・密集・密閉」を意味します。人と人との社会的距離(ソーシャルディスタンス)維持や、人が密集することの禁止、換気の悪い密閉空間の禁止を掲げました。さらに、くしゃみや咳だけでなく話をするときにも出る飛沫の中にウイルスが含まれていることがわかり、会食への注意喚起やアルコール提供を伴う店での飲食についても注意を促していたのです。飲食店にとっては致命的なことが起きました。会食をしながら楽しく会話をしてアルコール提供をする。これが飲食店としてのあるべき姿だったからです。

感染者の増加とともに飲食店へ足を運ぶ人は少なくなりました。さらに、時短営業の要請に伴い20時以降のアルコール提供中止・営業終了を余儀なくされました。飲食店の経営が傾き始めると、それに関連する会社や個人事業主にも影響が出ていきます。食品卸業や配送業も不景気の波が襲い、大企業でも銀行から融資を受けているところがあります。

  • 政府の打開策として給付金

政府は個人事業主を救うために給付金制度を導入しました。

▲小規模時業者持続化補助金

経済産業省は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売り上げが前年同月比50%以上減少している事業者に対して、事業の継続を下支えとするために、事業全般へ幅広く使うことができる給付金の申請を受け付けていました。中小企業の場合は上限200万円・個人事業主の場合は上限100万円が給付対象となります。

▲家賃支援給付金

新型コロナウイルス感染症が起因となり、売り上げ減少に直面している事業者の「土地代・家賃の負担を軽減すること」を目的とした制度です。事業主へ家賃に対する給付金を給付するのではなく、土地や建物の持ち主へ給付する制度となっています。申請日の直前1ヶ月以内に支払った家賃などを元に算定された金額が給付され、法人の場合は最大600万円・個人事業主の場合は最大300万円が給付されます。

▲協力支援金(飲食店のみ)

飲食店の個人事業主に対しては時短営業に対する協力支援金が支給されます。緊急事態宣言下のエリアで酒類提供は19時まで、20時までの時短営業を実施すると1日6万円。その他のエリアでは1日4万円が支給されます。この他にも各都道府県や市町村で独自の協力金を導入していることがあります。

▲医療機関への支援

今まで新型コロナウイルス感染症の検査や診療をしていなかったクリニック・医療機関が新しく診療・検査に対応するようになると「診療・検査医療機関をはじめとした医療機関等への感染拡大防止等の支援」で最大100万円が支援されました。この他にも医療職の方へ国は慰労金として20万円〜5万円を支給しています。

▲IT導入補助金

テレワークとは在宅勤務と呼ばれ、自宅にいながらテレビ電話やチャットツールを使用して会社内と同程度の仕事をこなすことを言います。コロナウイルス感染症の流行や緊急事態宣言の発出で企業はテレワークの対応に追われました。どうしても会議では顔を合わせなければいけませんでしたが、テレワークの普及により在宅勤務できるようなりました。企業ではチャットツールの有料化や社員へのパソコン・タブレット端末の普及などでIT導入補助金が支給されました。

  • まだまだ経済的なダメージは続く

新型コロナウイルス感染症が起因となり、倒産する「コロナ関連倒産」の数は増加傾向となっています。国内最初のコロナ倒産が発生したのは2020年2月25日。北海道栗山町に本社を構えるコロッケ製造会社「北海道三富屋株式会社」が破産手続き開始決定を受けた。その後、緊急事態宣言の発出とともに倒産件数は増加していきます。2020年4月には72件、8月には89件、12月には124件が一ヶ月で倒産しています。そして、2021年1月は一ヶ月のコロナ関連倒産が最も多く130件となっています。

都道府県別で見ると東京都大阪で全体の34%を占めており、緊急事態宣言の発出と関連しているように感じます。他の都道府県は多い順に神奈川県・静岡県・愛知県・北海道となっています。中核都市や観光地など比較的コロナの影響を受けやすい地域が入っている印象を受けます。

では、コロナ倒産している業態は何が多いのでしょうか。最も多かったのは小売業です。次にサービス業、卸業、製造業となっています。さらに業種を細かく分類すると小売業の中でも飲食店、建設関係が多いことがわかりました。サービス業ではホテル・旅館が多く、次にアパレル業が入りました。

  • 緊急事態宣言で国民の意識に変化

緊急事態宣言は国が異常事態だと判断することで、国民は緊急事態宣言の発出に関わらず新型コロナウイルス感染症と向き合わなければいけません。ソーシャルディスタンスや営業時間の短縮は本来、学問的な裏どりができている状態で、エビデンスに則って遂行されるべきですが、ここ数ヶ月は民意となってきました。つまり、「深夜に営業していないお店は悪」という印象がついてきたのです。民意により深夜営業しているお店や対策を講じていないお店にペナルティを課すようになりました。

緊急事態宣言を経験し、国民に新しい生活が定着しつつあります。これからどうなるのかまだまだ見通しが立ちませんが新型コロナウイルス感染症に気をつけるのはもちろん。経済も少しずつ回していく工夫が必要になるのでがないでしょうか。

近年は、入院しながら治療することが難しくなってきています。
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