感染症に対する食事の効果!バランスよく食べて感染症対策をしましょう

「身体は食べたもので作られる」という言葉があるように人間が食べるものは身体を構成する上で重要になります。小さな頃よく「好き嫌いなくバランスよく食べなさい」と言われませんでしたか?農林水産省から食事バランスガイドというものが公表されているように食事はバランスよく食べる必要があります。今回はそんな食事に注目しながら感染症対策に有効な食事の組み合わせなども紹介していこうと思います。

  • 食事バランスガイドの歴史

食事はバランスよく食べなければいけないと言い聞かせられても、どの食事をどのくらい摂れば良いかまではわからないですよね。肉と魚と野菜もどれくらい摂ればバランスが良いのかわからないと思います。そこで健康的な食生活にするために摂取すべき食べ物の組み合わせや量を図にしたのが食事バランスガイドです。2005年に厚生労働省と農林水産省の共同プロジェクトとして発表されました。今では食料自給率向上のツールとなっているだけでなく、食育をする上でも重要な役割を果たしています。主に主食・主菜・副菜・牛乳など乳製品・果物の5つで構成されています。コマのような形をした図に上から主食・副菜・主菜・牛乳などの乳製品・果物の順で配置されています。コマの軸にあたる部分には水が配置されており、コマを回すことでエネルギーを消費します。

食事バランスガイドが設定された背景には2002年の健康調査が関係しています。この年、の集計で高血圧の疑いがある人が3100万人・脂質異常症の人が3000万人・糖尿病の人が1620万人というデータが出ました。これは日本国民の約半数に相当し、生活習慣病の深刻さを露呈することになったのです。生活習慣病は運動習慣や食生活により改善できるため食事バランスガイドが活用されることになりました。食事バランスガイドはウェブサイトからダウンロード可能なので興味のある方はダウンロードしてみてください。

▲食事バランスの重要性

食事はバランスよく摂取することで生活習慣病の予防などに効果が期待できることが明らかになりました。では、食事をバランスよく食べない偏食をするとどのようになるのでしょうか。

■発育不全

偏食を続けていると体の発育不全や老化促進などを引き起こします。これは髪の毛や皮膚を作る上でビタミン類などが必要になるからです。皮膚や髪の毛を新生するために必要な栄養素が不足することで発育不全や老化促進が起きるのです。

■便秘

便通が定期的にある方は問題ないですが、1回出ると数日出なくなるという方は偏食の影響が出ているかもしれませんね。便通には食物繊維が効果を示します。また適度な脂質や水分も腸内環境維持に有効です。

■免疫力低下

免疫力の低下は様々な病気を招く恐れがあります。十分な睡眠・休養も大切ですが、免疫力を上げるためには抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eを摂取することも重要です。また、発酵食品や食物繊維をとり腸内環境を整えることも免疫力の向上に役立ちます。

■生活習慣病

糖質や脂質などエネルギーを過剰に摂取してしまうと肥満体型になることがあります。太ってしまうと血中のコレステロール値が高くなるため高血糖状態となり、糖尿病や高血圧・脂質異常症なども病気のリスクが高くなります。

■ホルモンバランスの乱れ

ホルモンの中でも女性ホルモンは食生活の乱れなどで崩れやすくなります。月経周期や妊娠のしやすさなどにも影響を与えてしまうため食事はバランスよく摂取するようにしましょう。

  • 感染症と食事

食事を提供する飲食店などでしばしば問題になるのが感染症です。ご家庭でも時期によっては感染症の発症があるのではないでしょうか。特に注意が必要な感染症がノロウイルスです。ノロウイルスは主に12月〜2月までの冬季に多発します。食べ物や食器に付着しているウイルスを経口摂取することで体内でウイルスが増加します。ウイルスが増加したら胃の運動神経を麻痺させて、腹痛や下痢・嘔吐などの症状を起こします。ノロウイルスの特徴は一般的な嘔吐と異なり、激しく強烈な嘔吐が続くことです。ウイルスが吐き出されれば1日〜2日程度で症状が治ることが多いです。飲食店でノロウイルスの感染報告があれば、保健所から営業停止処分となり得ます。では、感染症を引き起こさないためにどのような対策を取れば良いのでしょうか。

▲消毒

まな板や包丁・おわんなどは定期的に消毒しましょう。消毒と聞くとアルコール消毒のイメージを持っている方が多いと思います。実際、アルコール消毒でも消毒できますがノロウイルスにはアルコールが効きません。ノロウイルスの流行する冬だけでなく毎週1回で良いので塩素系漂白剤でまな板などを消毒しましょう。

▲食材の管理

食材の中には要冷蔵や常温保存ができるものなど様々です。野菜などは常温保存できるものが多いため、常温保存している方もいらっしゃいますよね。一度切った野菜や開封したものは冷蔵庫で保存するようにしましょう。

  • 新型コロナウイルス感染症に対する食事・栄養面からのアプローチ

世界保健機構(WHO)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する食事・栄養面からのアプローチ方法をまとめて「COVID-19アウトブレイク中の成人への栄養アドバイス」を発表しました。ここからはこのガイドラインを紹介していこうと思います。ガイドラインの中では冒頭に感染症のリスク低下のために免疫力を向上するようバランスの良い食事を摂るようにと書いてあります。「ビタミンやミネラル、食物繊維、タンパク質、抗酸化物質を取り入れるために多くの新鮮な食品を食べるべき」と明記してあります。では、具体的にどのようなことが書いてあるのかみていきましょう。

▲水を飲む

毎日コップ8〜10杯分の水を飲むようにしましょう。水は血液中の栄養素を運搬して体温調整の機能もあります。また、老廃物の除去に効果を示すこともわかっています。水だけではなくレモンジュースや野菜ジュースも可です。

▲塩や砂糖を少なくする

塩砂糖を多く摂ると身体へ負担がかかるため少量にしましょう。塩であれば1日5g程度を目安みします。お菓子やアイスは糖分を多く含んでいるので出来るだけ避けましょう。

▲外食を避ける

外食をすると他人と接触するリスクが高くなります。COVID-19は飛沫感染するため他人との接触を避けることで感染リスクを下げることができます。また、店内にて咳やくしゃみをしている人がいる場合は席を移動する・退店するなどしましょう。ご飯を食べるときは対面を避けて、1m以上の距離を保つことが必要です。

  • 栄養素からみる感染症対策

感染症を対策するために食材の成分を理解しておくことも必要です。どのような食材にどのような効果が期待できるのか紹介していきます。

▲にんじん

にんじんにはビタミンAが多く含まれています。ビタミンAには体の粘膜を働かせる効果があるため飛沫感染のCOVID-19には効果を示します。

▲ブロッコリー

ブロッコリーの中にはビタミンEが多く含まれます。ビタミンEには血行促進作用の他、活性酵素を抑制する抗酸化作用があるため基礎的な抵抗力を維持する効果が期待できるのです。さらに、ブロッコリーの中にはビタミンCも含まれています。ビタミンCには白血球の働きを強くする効果があり、免疫力を高めるのに期待できます。

▲春菊

春の食べ物なのでこれからの季節はお目にかかる機会が少ないかもしれませんが、春菊には免疫力を向上させるカロテンという成分が多く含まれています。カロテンが多く含まれているほうれん草よりも春菊の方が多く含まれています。

▲かぼちゃ

最後に紹介するのはかぼちゃです。かぼちゃは三大抗酸ビタミンと呼ばれているビタミンE、ビタミンC、βカロテンが豊富に含まれています。

 

  • バランスよく食べて免疫力を高めよう

食事はバランスよく食べることが大切です。自炊する場合は定期的に消毒をして衛生面にも気を付けましょう。今回紹介した栄養素を摂ることを意識して免疫力を上げてCOVID-19だけでなく様々な感染症対策につなげていただければ幸いです。

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