食中毒の原因と食品を紹介!テイクアウトで食中毒増加?

新型コロナウイルス感染症の流行によって私たちの生活は大きく変わりました。飲食業界は大打撃を受け、年間倒産件数は過去最多となっています。緊急事態宣言の影響により時短営業を余儀なくさせられている店舗も多く、各店で試行錯誤が繰り広げられています。そこで時短営業の対応策として、テイクアウトのみの夜営業が始まったところもあります。今回はそんなテイクアウトと密接な関係となる食中毒について説明していこうとおもいます。

  • 食中毒と飲食店

飲食店の運営で避けて通れないのは食中毒予防です。そのため飲食店を開業するときは地域の保健所へ開業届をしなければいけません。また、飲食店を開業するには調理師学校へ行き、調理師免許を取得しなければいけないと思っていらっしゃる方が多いかもしれませんが、調理師免許ではなく、食品衛生管理者という資格が飲食店を開業するには必要です。食品衛生管理者とは、飲食店だけではなく食品加工場など衛生管理が必要なところで、事業所の「食品衛生責任者」となる人が保有していなければいけない資格です。17歳以上であれば比較的簡単に保有できる資格で、一度取得してすると有効期限がありません。食品衛生責任者は食品衛生に注意しながら、食中毒を予防しなければいけない立場なのです。

▲食中毒が発生したらどうなるのか?

実際に食中毒が発生したらどうなるのでしょうか。食中毒と思われる事象が発生すると、対象の飲食店を管轄する保健所が調査をします。食中毒が疑われるような場合、食品衛生法に基づき医師から情報提供がおこなわれ、これは個人情報保護違反の刑法には抵触しないこととなっています。その後、患者からも聞き取り調査が行われ、どこのお店でどのような物を食べたのか。症状や吐瀉物・排泄物の形状などについても聞き取りが行われます。それらの情報を集めた保健所が事実確認を行います。事実確認後、飲食店の過失が認められれば調査終了後から1ヶ月以内を目安に行政処分されます。

▲食中毒が発生しやすい状況

飲食店では食中毒が発生しやすい状況・タイミングがあります。逆にいえばこのタイミングに注意すれば食中毒のリスクを大幅に減らすことができるのです。つけない、ひろげない、やっつける、もちこまないが食中毒防止の大原則です。これは飲食店だけではなく一般家庭でも予防できるので以下にポイントを挙げますので参考にしてみてください。

つけない 

手にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、次のようなタイミングでは、必ず手を洗いましょう。

  • 調理を始める前
  • 生肉や生魚、卵などを取り扱う前後
  • 調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後
  • おむつを交換したり、動物に触れたりした後
  • 食卓につく前、食べ物を食べる前
  • 残った食品を扱う前

ひろげない

食材の管理方法は食中毒発生の有無に大きく関わります。当たり前のことですが、お刺身を夏場に常温保存していれば腐敗が進んでしまいますよね。自分の管理体制が良くても仕入れ先業者の管理方法がずさんだと腐敗する可能性があります。特に飲食店では食材を毎日仕入れているため、全ての食品へ丁寧に向き合うことが難しいかもしれません。食材にはそれぞれ管理するのに適した温度があります。お刺身なら9℃以下、スナック菓子などなら常温保存が可能です。冷蔵庫や冷凍庫を活用して食材を適温で保管するようにすると食中毒リスクを減少できます。

やっつける

食材を管理する環境が悪くても食中毒のリスクが高くなります。一緒の箱や袋の中で生肉と野菜を保管しておくと、生肉から出るドリップ(血の一種)により汚染されます。野菜は炒め物など加熱調理すれば問題ないですが、サラダなどに使用する場合はお刺身と同様の管理が必須といえるでしょう。

包丁やまな板など調理器具にも食中毒の原因菌やウイルスが付着します。生肉や生魚に菌が付着していた場合、それを調理する包丁やまな板にも菌が付着している可能性があります。生肉や生魚にはそれ専用の包丁を用意すると食中毒予防に効果的です。一般家庭ではまな板や包丁に対して定期的に塩素系漂白剤などで消毒をすると良いでしょう。

もちこまない 

調理する誰かがノロウイルスを保有している・食中毒の原因菌を保有している場合、食中毒の発生リスクが高くなります。また、どこで何を触っているかわからないので、食品を取り扱う人は常に自分の健康状態、特に下痢・嘔吐・発熱などがないかに注意する必要があります。 そのためにも食品を取り扱う事業者は、義務ではないですが検便検査を1年間に数回は受けていただくのが望ましいとされています。学校給食従事者や病院、福祉施設等の大量調理従事者は月に数回以上の検便が義務付けられています。
そしてもちろん、調理前に手洗いを実施して菌を付着させない、持ち込まないようにする必要があります。

  • テイクアウトでなぜ食中毒が起きるのか?

ここ数ヶ月で増えているテイクアウト。ここまで食中毒の発生要因について話を進めてきましたが、実際にどのようなことが関係しているのでしょうか。

▲管理方法

新型コロナウイルスの影響でテイクアウトを始めた店舗の多くはテイクアウトを専門としていません。お客さんへ提供するおお弁当やお惣菜を保管しておく場所は臨時で用意したところが多く、万全な管理方法とはいえません。また、店舗内ではなく店頭でテイクアウトの販売をしているお店や、クーラーボックスに入れて保管しているお店もあります。夏場は特に外気温が高くなるため、このような保管状態では食中毒血スクが高くなるのです。

▲お客さんの慣れ

テイクアウトはお客さんにとっても試行錯誤となっています。自宅へ持ち帰る途中で寄り道をして、車内でお惣菜やお弁当を置きっぱなしにしてしまうことがありませんか?車内温度は外気温よりも高くなるため、食品の腐敗を進行させてしまいます。

  • 食中毒を招く菌やウイルス

食中毒の原因となる菌やウイルスにはどのようなものがあるのでしょうか。

▲サルモネラ菌

サルモネラ菌は加熱不足な肉や魚に発生します。体内へ入ると6時間〜48時間程度で発症し、発熱や下痢・吐き気が起こります。

▲黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌とは、人の皮膚などにも存在する菌です。この黄色ブドウ球菌も食中毒の原因となります。黄色ブドウ球菌が産生する毒は熱に強いため注意が必要です。食後、6時間以内を目安に腹痛などが起こります。

▲腸炎ビブリオ

魚介類などに付着している菌です。熱に弱いため、魚介類を加熱することで予防できます。

▲カンピロバクター

カンピロバクターとは、ペットから感染することもある菌です。加熱されていない肉(中でも鶏肉)に付着していることがあります。井戸水や湧水の中にも生息するため注意しましょう。

▲ノロウイルス

ノロウイルスは二枚貝に多く付着しているウイルスです。冬期になるとノロウイルスによる集団感染などが問題となります。ノロウイルスの特徴はアルコールによる消毒ができないことです。そのためノロウイルス患者の吐瀉物や排泄物の消毒にはアルコールではなく、次亜塩素酸ナトリウムなどを使用しましょう。

  • 食中毒は季節性?

食中毒の発症患者数は年々減少しています。日本の食品衛生に関する意識や環境が整っているだけでなく、冷蔵機能や冷凍機能の向上により食品管理機能が改善されているからです。しかし、食中毒発生の原因内訳を見てみると季節性にあることが起きているのがわかりました。

▲自然毒の存在

自然毒とは、毒キノコなどに代表される自然に栽培されている植物が保有する毒です。自然毒の発生は10月〜3月まで減少傾向で、4月から増加していきます。これは冬期に山菜がりやキノコ狩りをする人が少なく、暖かい時期になると増えることが関係しているようです。

 

▲ウイルス

ウイルスは冬期に感染力が増加します。空気が乾燥していることが影響しているのではないでしょうか。また、牡蠣など二枚貝の旬と重なることも影響しています。食中毒で有名なノロウイルスによる感染者が増加します。

 

▲寄生虫

寄生虫は年間通して同じような割合です。食中毒を起こす寄生虫で有名なのはアニサキスです。サバやイカなどに寄生していることが多く、咀嚼不足で飲み込んでしまうと胃の内壁に食い込みます。

  • 食中毒とテイクアウト

食中毒とテイクアウトには密接な関係があります。食中毒を予防するためには飲食店の人による注意だけではなく、お客さんの「早めに食べきる」という心がけも重要になってくるのです。

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