新型コロナウイルスの今!ワクチン開発はどこまで進んでいるのか

2020年1月から中国を中心に世界へ流行(パンデミック)を起こしたのが新型コロナウイルス感染症です。咳や熱などの主症状をはじめとして、味覚障害という特殊な症状も話題となりました。日本国内では最初の感染者が確認されてから、世界旅行中だった旅客船「ダイヤモンドプリンセス号」の集団感染(クラスター)・俗にいう夜の街関連の集団感染など各地で問題となっています。2020年4月には政府が緊急事態宣言を発令。日本の街から人がいなくなるという現象が起きました。国民全員が社会的距離(ソーシャルディスタンス)をとるようになり、いわゆる「新しい時代」へと変革を求められています。今回はそんな新型コロナウイルスに関する最新情報をご紹介したいと思います。(2020年11月現在)

  • 新型コロナウイルス感染症の経緯

新型コロナウイルス感染症はSARS関連コロナウイルスと呼ばれることがあります。これは、2002年から2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因ウイルスと同じ「コロナウイルス」が新型コロナウイルスの発症に関連しているからです。新型コロナウイルスでは原因ウイルスのことを「COVID-19」と呼びます。

▲パンデミック発生

新型コロナウイルス感染症が最初に確認されたのは2019年。中国・湖北省武漢市にある海鮮市場が発生源とされています。最初に中国当局で感染確認されてからは、SARSや中等呼吸器症候群(MARS)と同様の疾患という認識がされていましたが、潜伏率の高さや感染力の高さなどから別の疾患が疑われ始めました。海鮮市場でクラスター発生したとされる謎の病気はみるみる国内へ感染拡大していきます。最初の感染者が確認されてから1ヶ月程度経過した2020年1月。中国国内では春節と呼ばれる、旧正月となり国民の大移動が行われました。旧正月とは、日本でいう大型連休に相当します。そんな中の国民大移動といえば旅行です。中国国内で謎の病気が流行している中でも中国国民は日本をはじめとする各地へ移動をしました。国民の多くが世界へ旅行した後、1月23日に武漢市は都市封鎖(ロックダウン)することになりました。2020年2月にはイタリアやイラン、韓国、アメリカなどで感染者の増加が顕著になります。

日本国内では2020年1月16日に国内で初めての感染者を確認。中国・武漢市に滞在歴のある患者が肺炎の症状を訴え、検体採取を行います。国立感染症研究所にて検査がおこなわれ、新型コロナウイルスへ感染していることが明らかになりました。日本人で最初に陽性者が確認されたのは1月28日です。武漢市へ渡航歴のないバス運転手が感染しました。このバス運転手は旧正月時、日本国内へ旅行にきていた武漢市民たちのバスツアー担当として東京―大阪間を走行していたことからこの時に感染したのではないかとされています。1月29日にはバスツアーに同行していた女性バスガイドも検査で陽性となります。これは日本国内で「ヒトーヒト感染」が初めて確認された症例で、日本国内からマスクが売り切れ始めました。

最初に日本国内でクラスターと判定されたのはクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」です。ダイヤモンドプリンセス号は、1月20日に横浜港を出港し、鹿児島・香港・ベトナム・台湾・沖縄を立ち寄り2月3日に横浜港へ帰港します。その後、台湾で下船した乗客が新型コロナウイルスに感染していることが判明。2月3日に横浜港へ帰港した際、日本政府は港の中へ入ることを拒否し、海上にて2週間検疫をしました。船内では検疫の結果、陽性者が出始めます。陽性者が出ると神奈川県内の医療機関にて治療をするようになりますが、日に日に感染者数は増加。神奈川県内の医療機関だけでは対応できず、関東の各都県の医療機関でも対応するようになります。最終的にダイヤモンドプリンセス号の感染者数は712人、そのうち13人が死亡しました。

▲日本政府の対応

国内で新型コロナウイルス感染症の患者数が増加する中、政府も対応を進めます。「帰国者・接触者相談センター」を立ち上げて、「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く」場合、相談するという目安を立てます。さらに、多くのイベントや遊園地をはじめとする行楽地が営業中止を発表し出します。世界各国がロックダウンをする中、日本では経済活動を止めずに感染拡大を防止するという方法で戦うこととなるのです。

2月26日、北海道の鈴木知事が2月27 日〜3月4日まで北海道内の小中学校を臨時休する方針を明らかにした他、北海道民へ道独自の緊急時事態宣言を発令すると発表しました。学校が休みになってしまうと、お母さん世代が困惑します。SNSでは働きながら子育てをする女性や学校関係者の声が投稿されるようになりました。その後も国内では大阪市内のライブハウスにてクラスターが発生するなど、感染が目に見えて拡大していきます。3月には2012年に成立した新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)を改正し、緊急事態宣言発令へ向けて動き出します。

▲新型コロナウイルスの治療薬

日本国内では感染者が増加し続けます。医療関係者の間では医療崩壊を懸念されました。4月7日になると安倍首相(当時)は緊急事態宣言を発令。5月6日を目処に国民へ人との接触を減らすよう要請しました。緊急事態宣言のおかげもあり、国内の感染者数は減少していきます。この頃、出たのが新型コロナウイルス感染症の治療薬候補である「レムデシビル」です。レムデシビルは抗ウイルス薬として既にエボラ出血熱に利用されていました。アメリカのFDA(食品医薬品局)がレムデシビルの重症入院患者へ処方する許可を出したため、日本国内でも使用可能となります。2020年11月現在、日本国内で新型コロナウイルス感染症の治療薬として正式に承認されているのはレムデシビルだけとなりました。

  • 新型コロナウイルスのワクチン製作

新型コロナウイルスは感染しないよう予防する・感染したら治療するという2種類しかありません。人類vsウイルスでいえば防戦一方ということです。そこで求められるのがワクチン。世界でも未曾有の出来事で人類が出会ったことのないウイルス感染症のため、ワクチン製作も難航しています。

その中で最も製品化に近いとされるのが中和抗体の開発です。アストラゼネカやイーライリリー、リジェネロンなどの製薬会社が臨床試験を進めて、ワクチン開発へ尽力しています。日本国内では武田薬品工業がアメリカの製薬会社とタッグを組み高度免疫グロブリン製剤を開発中です。

2020年11月現在でWHOが発表している「臨床試験まで進んでいる新型コロナウイルス感染症ワクチン候補」は47種類あります。この他に155種類のワクチンが臨床試験前の段階で今後臨床試験へ進む予定です。日本国内の企業はアンジェスが臨床試験へ進んでいるだけで、塩野義製薬や第一三共などは臨床試験前段階にとどまっています。ワクチン開発はアメリカやイギリスの企業が先行しているという印象です。

日本政府は10月2日、日本国民全員へワクチンを無料接種できるよう整備を進めていることを明らかにしました。既に各製薬会社と交渉し、国民分は確保しているとのことですが早い開発に越したことはないです。

  • 新型コロナウイルスとの戦いはまだ続く

日本では第一波で多くの死亡者を出しました。第二波では感染拡大をコントロールできただけでなく、新型コロナウイルスというウイルスがどのような感染経路でどのような症状を起こすのかなどが明らかになりました。人類vsウイルスの構図は防戦一方から拮抗してこれから人類の反撃を迎えようともしています。まだエビデンスの高いワクチン開発までは至っていないですが、手洗い・うがいをして部屋の換気を徹底することで感染リスクを抑えることができます。また、ワクチンができてからもコロナウイルスとは上手に付き合っていくしかありません。これからも全員で感染拡大防止について考えた行動をしていきましょう。

近年は、入院しながら治療することが難しくなってきています。
そこで私たちは、住み慣れたお住いに、24時間365日いつでも、どこでも、誰にでも医療をお届けするサービスを提供しております。もちろん緊急事態にも24時間体制で医師と看護師が対応いたします。好きな地元でゆっくり落ち着いて、お一人お一人その人らしく療養できるよう、患者様やご家族様に寄り添った医療を提供いたします。地域を愛し地域に根付き地域に愛される強い信念でお手伝いさせていただきますので、最期までお付き合いさせてください。

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