医療崩壊を起こさないために今できることを紹介します

「医療崩壊」という言葉を聞く機会が増えていませんか?新型コロナウイルス感染症を取り上げるときに必ずといって良いほど医療崩壊というキーワードも登場します。そこで今回は医療崩壊の原因としてどのようなものがあるのか、医療崩壊が起きるとどのようなことが起きるのかなどについて紹介していこうと思います。

  • 医療崩壊とは?

医療崩壊とは、安定的かつ継続的な医療提供体制が成り立たなくなることの総称です。今、みなさんは窓口へいき保険証を出せば、医師から診察を受けられ、必要に応じた処置や処方を受けますよね。医療崩壊が起きるとどのようなことが起きるのでしょうか。また、医療崩壊を起こす原因にはどのようなことがあるのでしょうか。実際に紹介していきます。

▲患者数の増加

新型コロナウイルス感染症はまさにこれに該当します。患者数が増加することで病院のキャパシティを超える事例が起きてしまうのです。新型コロナウイルスの有無にかかわらず、日本の病院の多くは入院患者数が満床に近い状態です。新しい入院患者を受け入れたら、別の患者さんを退院させるという病院もあるほどです。

新型コロナウイルス感染症のように大規模な感染症が発生した場合は、ただでさえ入院できるスペースが限られているのにもかかわらず、入院療養が必要な患者数が増加します。結果として病院としての機能を縮小せざるを得ません。

新型コロナウイルス感染症を例にみれば、入院患者数が増加することで外来診療をしている医師も入院病棟で治療を始めなければいけなくなることが考えられます。他にも治療で必要不可欠な医薬品の数・人工呼吸器の数も足らなくなります。ある程度、病院など医療機関では備蓄としてストックを持っていますが想定外の大規模な災害や感染症が発生した場合はその限りではないです。

▲医療費の削減

日本は高齢化社会の真っ只中で、国民医療費の増加が止まりません。2020年現在では約42兆円を超えており、2025年まで増加し続けるという試算も出ているほどです。そんな医療費を抑制しようと政府は医療費削減の方針を立てています。

具体的には医療サービスを受けたときに加算される診療報酬点数(1点10円換算)を下げるというものです。簡単にいえばラーメンが1杯1000円だったものを、強制的に600円へ値下げることと一緒です。このようなことが起きるとどうなるのでしょうか。

ラーメン屋さんで例えてみると1杯1000円で1日100杯売り上げていたら、100000円の売り上げがありましたが、強制的に600円まで値下げられると60000円しか売り上げが出ません。40000円の差が生まれてしまうのです。では、この差を埋めて以前のような売り上げを上げるにはどのようにすれば良いでしょうか。一つはお客さんの回転を上げることです。お客さんが10分滞在されるより、7分・6分と少ない時間の滞在時間の方が効率よくラーメンを売れます。もう一つはお店のキャパシティを広げて一度に入店できる人数を増やすことです。

これを医療に置き換えてみましょう。従来であれば胃痛を訴えている患者さんへ問診・聴診・血液検査・尿検査・必要に応じてX線検査を実施して30分時間を使っていたとしましょう。保険点数が削減され、患者さんを早く診療しなければいけないときは問診・聴診をして血液検査をしたら次回来院日に結果を伝える…ということも起こりかねません。ただの胃痛であれば問題ないですが、大きな病気が隠れていたらその日に徹底的な検査をすることが望ましいですよね。

医院のキャパシティを大きくするとどうなるでしょうか。一度に診る患者さんの数を増やそうと建物を増築などすると、医院の財政を圧迫することになります。その結果として、先ほど書いた保険点数のところへつながるのです。保険点数が下がることで報酬が少なくなるため、患者さんを短時間でみなければ採算が取れなくなります。医療費削減にはこのような弊害があるのです。

▲医療従事者不足

医療従事者に関連する国家試験が毎年行われている理由は、学生を放出することはもちろんですが医療従事者不足による医療崩壊を起こさないようにするためです。医療従事者の中でも医師不足は日本の慢性的な問題です。後述で詳しく紹介しますが、日本では医師数が足らず過疎地と呼ばれる地域が生まれています。また、資格を保有しているものの現場で働いていない人も多くなっています。医療従事者が不足して医療崩壊が起きないような収入面でのサポート、就業条件面でのサポートが重要となります。

  • 医療崩壊に対する解決策は?

医療崩壊を招いてしまうと回復させるまで一定の時間が必要になります。その間にも病気になる人は増え続けてしまいますし、医療を必要とする人は後を絶たないのです。ここからは実際に医療崩壊が起きる前にできる解決策について紹介していきます。

▲感染症への対策

新型コロナウイルス感染症では、ここが問題となっています。感染症への対応は必須で現在も日本政府により行われています。新型コロナウイルス感染症など未知のウイルスは感染の有無を慎重に見極める必要があります。そこで感染症の有無に関する検査は必要条件を満たした患者さんのみに適用する必要があるでしょう。

新型コロナウイルス感染症に関していえばPCR検査という検査が有効的です。PCR検査の検査数が少ないという声も聞こえたことがありましたが、これは慎重な対応をしているという風に読むこともできます。さらに感染症は感染症患者を増やさないことも重要です。感染者数が増え続けてしまえば国家として「緊急事態宣言」を出さなければいけなくなります。諸外国のように首都閉鎖(ロックダウン)を検討する段階まで来ているという専門家の意見もあるほどで、感染者の抑制は医療崩壊予防の第一歩といえます。

▲医療費への対応

高齢化社会が進む中で国民医療費の問題は避けて通れません。しかし、いたずらに診療報酬を削減してしまうと医療の質へと影響を与えます。そこで自己負担金の調整が話題に挙げられます。今では現役世代の自己負担金が3割、70歳〜74歳が2割、75歳以上は1割と年齢ごとに負担金が決まっていますが、いつからか全年齢3割負担にしなければいけない段階になっているのかもしれません。

 

▲医療従事者の増加

医療従事者の人数も医療崩壊を防ぐために重要なファクターとなります。毎年医療資格試験を実施して、継続的な人材確保をしているのはもちろんですが医療従事者を増やすための様々な施策もしています。例えば医師不足を解消するために医師の数を増やそうと、医学部の新設をしました。2016年に東北医科薬科大学が被災地復興支援の名目で設立されました、翌年の2017年には国家戦略特区の枠組みとして国際医療福祉大学が設立されました。これだけでも年間200〜300名の医師を増やすことができます。さらに医学部の場合は、地域枠という独自の枠を持っており、卒業後に大学の指定する地域で医療に従事することを条件に入学できるシステムがあります。

看護学部や歯科衛生士学部などでは、学校独自の奨学金制度を用意しているところもあります。これにより金銭面で医療従事者になる夢を諦める人を少なくできます。

 

▲遠隔医療の実施

近年ではインターネットの普及により全国どこにいても医療を受けられるようなシステムができつつあります。その代表が遠隔医療です。テレビ電話での診療のほか、常時心拍数を測定するアプリや健康管理アプリなども登場してきています。

遠隔医療を導入することで病院へ出向かなくても医療を受けることができ、医療従事者不足にも一躍を担うのではないでしょうか。しかし、医療従事者が近くにいないことから病状の早期発見を逃す可能性も否めません。実際に医療を受けたいと思う方には受け入れがたいのではないでしょうか。

  • 医療崩壊が起きると立て直すのが大変

新型コロナウイルス感染症で医療崩壊が起きないように努力をしている国は多いです。日本でも医療崩壊が起きないように今、私たちにできることをしましょう。

近年は、入院しながら治療することが難しくなってきています。
そこで私たちは、住み慣れたお住いに、24時間365日いつでも、どこでも、誰にでも医療をお届けするサービスを提供しております。もちろん緊急事態にも24時間体制で医師と看護師が対応いたします。好きな地元でゆっくり落ち着いて、お一人お一人その人らしく療養できるよう、患者様やご家族様に寄り添った医療を提供いたします。地域を愛し地域に根付き地域に愛される強い信念でお手伝いさせていただきますので、最期までお付き合いさせてください。

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