高齢者が入居できる施設は?ケース別で入居の難易度を紹介します

高齢者という言葉に明確な定義はありません。90歳でも自分のことを若々しく思っている方がいる一方で、60歳で身体の衰えを自覚して高齢になったと感じている方もいるのではないでしょうか。統計学的には65歳以上の方を高齢者と定義していますが、免許更新制度や健康保険上の高齢者は70歳以上に設定されていることが多いです。

高齢になると身体機能の低下が顕著になり、介護が必要になる方が多くなります。そこで老人ホームなどへ入居したいと思っても入居における審査などがあり、中には入居できない方がいるのです。そこで今回は高齢の方が施設へ入居するときの難易度について紹介したいと思います。

  • 高齢者が入居できる施設一覧

老人ホームと呼ばれる施設は大きく民間と公的なものの2種類に分けることができます。また、介護認定を受けている方や自立して生活できる方でも施設を分けられます。ここではどのような施設がどのような働きをしているのか、どのようなことができるのか紹介していきます。

▲介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは民間施設です。介護が必要になった方が入居して、介護専門スタッフにより身のまわりのことをしてもらいます。この施設は様々な基準をクリアし、特定施設入居者生活介護と呼ばれるサービスを提供する許可が与えられています。入居中にかかる費用は入居金の他に月額利用料があります。介護をしてもらったときに発生する介護サービス費に関しては介護度に応じて、自己負担額が1割〜3割となっています。

▲住宅型有料老人ホーム

住宅型老人ホームは民間施設です。自立して生活できる方だけでなく、要介護や要支援認定を受けた方でも生活できます。サービス内容は、食事サービスだけでなく部屋の清掃や洗濯など生活支援をしてくれるのが特徴です。住宅型有料老人ホームは「介護付き」ではないため、介護が必要になった場合は訪問介護や通所介護サービスを利用することになります。

▲グループホーム

グループホームとは、要支援2以上で65歳以上の認知症高齢者が対象になる施設です。施設がある自治体に住民票を持っていることが重要で、基本は5人〜9人で1ユニットとなります。少人数で生活をしながら専門のスタッフにより介護サービスや機能訓練を受けることになります。

▲特別養護老人ホーム

特養と略称で呼ばれている施設です。公的施設の代表格で、要介護3以上の方が入居できます。身体介護だけでなく、生活支援・リハビリやレクリエーションまで行っており、入居する方だけでなく家族の方からも人気がある施設です。何より特別養護老人ホームの人気が高い理由は介護保険が適用できることです。これにより、月額料金が他施設と比較しても大きく抑えられます。介護付き有料老人ホームの保険が効いているバージョンという認識で良いかと思います。入居順序は介護度や家族状況などが加味されるため、早くから申し込んでいたとしても優先的に入居できるとは限りません。

▲介護療養型医療施設

介護療養型医療施設は医療行為が必要で要介護1度以上の方を対象にした介護保険施設です。医師や看護師が常駐している病院に近い施設で、カテーテルや経鼻経管栄養などの医療行為を受けることが可能です。

▲介護老人保健施設

介護老人保健施設は老健と呼ばれる施設です。病院から退院して在宅で生活することが困難な要介護1以上の方が対象の施設です。原則、短期入所となっており期間は3ヶ月〜6ヶ月程度とされています。

▲自立生活できる高齢者向けの施設

自立して生活できる高齢者の方は今まで紹介してきた施設ではなく、サービス付き高齢者住宅や高齢者専用賃貸住宅・シニア向け分譲マンションなどの施設へ入居することがあります。これらは自立した個人の生活を尊重しつつも、集団生活でできないことを補いあうような形です。独居生活の方や子供がいない家庭ではこういう施設への入居を検討するようです。

  • 入居が厳しくなる条件

一般的に高齢者の方が施設へ入居するときにはそれぞれの条件と受容と供給のバランスで入居の可否が判断されます。例えば特別養護老人ホームの場合、要介護が3と認定されて家族が配偶者のみだった場合の方と、要介護1で子供家族と同居している方では優先順位が異なります。この場合、前者の方が特別養護老人ホームへの入居がしやすいとなるのです。では、後者の方は在宅介護などを続けて順番待ちを続けなければいけないのでしょうか。実はそんなことはなく特別養護老人ホーム以外の施設であればすぐに入居することができる可能性があります。

▲入居の流れ

どの施設でも入居までには一定の流れがあります。入居までどのようなステップを踏むのか紹介していきましょう。

  1. メールや電話で問い合わせ

施設によってはパンフレットなどを用意しているところがあるため、ご家族の状況を簡単に説明してパンフレットを送付してもらいましょう。その時に軽く希望を伝えておくと後々話がスムーズになるかと思います。

  1. 施設の候補を挙げる

パンフレットは1施設だけでなく数施設から取り寄せましょう。比較することで料金の違いやサービスの違いが明確になります。また、その施設がどのようなサービスをする施設なのか理解してご家族のニーズにあった施設を選ぶようにしましょう。

  1. 見学

施設へ入居する前にスタッフの様子や入居している方の様子を観にいきましょう。また、日当たりなどパンフレットからは見えない施設の一面を確認することも大切です。

  1. 申込

施設に対して質問や疑問があれば確認してから申し込みをしましょう。

  1. 入居者や家族との面談

施設のスタッフと入居者・ご家族で面談が行われます。

  1. 審査

入居できるかどうかの審査があります。審査で厳しい評価をされる方は後述で紹介します。

  1. 体験

希望があれば体験入居ができます。1泊2日程度で食事や日常生活で不便がないか確認できるのは良いですね。

  1. 契約

入居契約書を交わして入居金を振り込みます。

  1. 入居

施設へ入居です。

▲入居審査で厳しい評価となる方

高齢者むけ施設で入居審査の結果、認められないケースも中にはあります。そこでどのような方が入居しにくいのか紹介していきます。

■感染症のある方

慢性的でも感染症を抱えている方は医療水準の高くない施設の場合、入居を断られることがあります。このような施設の場合、自分が入居してからも感染症を罹患している方が入居してくる心配がないですよね。

■子供のいない方

お子さんがいない家庭や独り身の方は入居審査が厳しくなる傾向があります。これは保証人となる人がいない・もしものときに判断できる人がいないなどの問題があるからです。

  • 入居のポイントは合う施設を選ぶこと

高齢者向け施設で確実に入居するポイントは、自分の受けたいサービスにあった施設を選ぶことです。自立した生活ができる方はサービス付き住宅やシニア向け住宅(マンション)などに入居しやすいですが、特別養護老人ホームへは入居できません。他にも認知症がある方は特別養護老人ホームよりもグループホームの方が日常生活をする上でニーズに応えてくれるのではないでしょうか。

 

  • これからの日本の課題

高齢者向け施設数はここ数年で劇的に増加してきています。これは2025年にくる超高齢化社会への国策といっても良いでしょう。しかし、その一方で独居老人や子供のいない家庭の数も増加しているのです。必ず日本人は高齢者になります。来る日がきたときに「独居」や「子供がいない」というだけで施設へ入居できなくなるのはあんまりですよね。身寄りのない方でも施設へ入居できるようにすることはこれからの日本の課題となるのではないでしょうか。

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